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鈴木麦太朗/題詠blog用

by yuaruhi

いちばん星2008(その1)

題詠blog2008を完走した皆様の歌から、いちばん星を集めました。
お題順に並べました。001から050までです。

細かい作業だったので抜けや間違いがあるかもしれません。
見つけたらご指摘下さい。訂正いたします。

(2行以上にわたる歌は / で区切って1行にしてあります。)


☆001:おはよう (玻璃さん) 水ぬるむ ひなの野山のいきものよ おはやう起きて春にあそべや

☆003:理由 (伊藤なつとさん) 別れたい理由は理解できたけど僕の体に教えて欲しい

☆004:塩 (じゃみいさん) 「塩味が少し足りない感じかな?」後から聞いたあなたの言葉

☆004:塩 (遥遥さん) 塩味の薄い食事をとりながらガラスの向こうの躍動を見る

☆005:放 (桑原憂太郎さん) この件は放つておいてもいいけれど会議もないので生徒を呼んだ

☆006:ドラマ (Asukaさん) それぞれの 長いドラマの時折に 登場するよな心地よき仲

☆006:ドラマ (睡蓮。さん) 人生は連続ドラマとは違い予告も無しにくる最終話

☆007:壁 (みらいさん) 壁際に春の陽ざしが差し込んで利用者さんのほころぶ笑顔

☆007:壁 (佐原みつるさん) ステージに主役が登場したあとも壁際に立つ人を見ている

☆007:壁 (寺田ゆたかさん) 手を触れて滑らせてゆく長き壁どこまでゆけば果てるものやら

☆007:壁 (翔さん) 左手を壁に伝いて進みゆく君にどこかであえると信じて

☆009:会話 (あいっちさん) 二杯目のマンゴージュースを飲みながら父母の会話に加わってみる

☆010:蝶 (穴井苑子さん) (蝶っぽい)フーッと伸びたくるくるがしゅるっと戻るアレないですか

☆010:蝶 (蓮池尚秋さん) 震度2を同時に気づく昼寝する大型犬にとまった蝶と

☆011:除 (みずきさん) 臓物を除く手さばき青白き炎(ほむら)となりて魚の横たふ

☆011:除 (岡本雅哉さん) 除雪車の通った跡に残されたかたっぽだけの手袋の赤

☆013:優 (砺波湊さん) 夏帽子かぶせて去っていく指が宙に描いた優しいカーブ

☆013:優 (藻上旅人さん) 優しさのむこうがいつも気にかかり立ち止まっては縮まらぬ距離

☆013:優 (那美子さん) 優しさを試してみたき夜(よ)のありて/メールで告げる「今ここに来て」

☆014:泉 (keiさん) 茹で卵転がり黄泉の扉(と)を叩くやっぱり今日も散歩の途中

☆017:頭 (史之春風さん) あのひとがしあわせならばいいんです(鰯の頭)しあわせならば

☆020:鳩 (わたつみいさな。さん) 足元に群がる鳩を蹴散らして後悔しない嘘をつきたい

☆021:サッカー (mintoさん) 日本では女子サッカーは六時より試合が始まり観戦したり

☆021:サッカー (七十路淑美さん) サッカー試合始まる前の君が代に唇動かす外つ国の選手

☆021:サッカー (此花壱悟さん) 夕映えにサッカーボールを追いかけてトロイメライが闇を連れ来る

☆022:低 (陸王さん) 初登場 低温吹雪の怪獣も 街のみんなが名前知ってる

☆022:低 (坂口竜太さん) おわかれの最後のことばが低音で聞きとれなくて忘れられない

☆023:用紙 (内田かおりさん) 結局は黒に塗られて画用紙の底に隠れた笑顔の誰か

☆024:岸 (勺 禰子さん) 岸恵子みたいな女になれと言い、父が娘に飲ませた洋酒。

☆024:岸 (原 梓さん) 彼岸花の真中に倒れ聴き慣れぬ言語で叫ぶ すなわちは雨

☆024:岸 (水都 歩さん) 淀川に繋がる川の川岸にミソハギの花毎年咲けり

☆025:あられ (拓哉人形さん) ”湿気る”など知ったことかと全開のあられ勧める祖母のやさしさ

☆025:あられ (野坂 りうさん) 「あられ」と「ひょう」境は5mm僕たちも試してみよう5mm未満を

☆026:基 (村木美月さん) うっとりと基礎化粧品ならべおり魔女の手つきで媚薬をつくる

☆029:杖 (綾倉さん) 初デートどこにしようか? え、行脚? うわあ、あたしも杖を買ったの!

☆031:忍 (たちつぼすみれさん) 脳組織ほととぎすより微かなる忍び音漏らしくずれゆくなり

☆031:忍 (夏椿さん) 忍の字をゆびさきに持つ心地せり線香花火の玉落つるまで

☆032:ルージュ (一夜さん) 今夜こそ人生変える日と決めて 取れる覚悟で挿したるルージュ

☆032:ルージュ (八朔さん) ルージュには洩れなく君がついてくるただそれだけのことが恋しい

☆032:ルージュ (南 葦太さん) ルージュって要は口紅なんでしょう?いずれにしても君の唇

☆032:ルージュ (磯野カヅオさん) 「条件よ」5本のルージュ順番に等間隔に立てながら言ひ

☆033:すいか (あおゆきさん) あの夏の「あの」を外せば巻き戻るすいか、あまい、あおい、うみべで

☆033:すいか (間遠 浪さん) 古新聞束ねた軒に水捌けの良いあなたからすいかを貰う

☆034:岡 (原田 町さん) 岡っ引き平次記念碑その傍に小さき石の八五郎おり

☆034:岡 (石の狼さん) をんなとは何か教わる月が来て岡本かのこ『巴里祭』を読む

☆035:過去 (美木さん) 自分史を書くほど派手な過去もなく「そこそこオブ・ザ・イヤー」獲得

☆036:船 (しおりさん) 紙風船 つく優しさで愛し合う 壊れぬように壊さぬように

☆036:船 (船坂圭之介さん) 卵黄のあはれ黄なるを崩されて夕餉乏しき二等船室

☆037:V (湯山昌樹さん) 自然なる表情を撮りたきわがレンズに飛び込んでくるVの集団

☆038:有 (健太朗さん) 有罪の こゝろ裁きを 我に課し しみじみ明るく ほとほと優しく

☆038:有 (村上きわみさん) 有り体に言えば泣きそう はつなつの風にいくつも結び目がある

☆038:有 (畠山拓郎さん) どれくらい有るか無いかで悩殺し我を悩ますフルーツポンチ

☆040:粘 (大宮アオイさん) 身体から零れる粘液 味もみず訳知り顔で背を向けないで

☆040:粘 (幸くみこさん) ぐちゃぐちゃに丸めた粘土のかたまりにうっすらのこる目とか耳とか

☆041:存在 (K.Aikoさん) 「存在ス」 証のひとつ またひとつ 言葉えらべば 歌へ 羽ばたけ

☆041:存在 (寒竹茄子夫さん) 存在の秋(とき)は過ぎにし曇天を突きさす檜(ひのき)寒く聳ゆる

☆041:存在 (木下奏さん) 存在が見えなくなって気がついた温度が全ての確信だったね

☆041:存在 (星桔梗さん) 存在が大き過ぎたと言ってみた引き出しの中入りきれずに

☆043:宝くじ (佐藤紀子さん) 宝くじバッグに二枚常に持つ運がよいかもしれぬワタクシ

☆043:宝くじ (富田林薫さん) 宝くじ売り場のよこに絹糸をしずかにつむぐ糸繰りぐるま

☆044:鈴 (ワンコ山田さん) 歓声も波もくぐもり夏の日のビーチボールの内側の鈴

☆044:鈴 (佐山みはるさん) 風鈴をつるせばそこに風がきて歌うたうらん はやもつるさな

☆046:設 (中村成志さん) 【川越麻紀】「預金課」(笑顔)第3の口座はかくて設けられたり

☆047:ひまわり (FOXYさん) <ひまわり>は熟女専用喫茶室 BGMはいつもボサノバ

☆047:ひまわり (草蜉蝣さん) ひまわりの種をあつめて妹はビンの底からひふみよいつむと

☆048:凧 (梅田啓子さん) 糸切れて凧は空へと吸はれゆくゆたにたゆたにゆくへ知らずも

☆049:礼 (お気楽堂さん) お礼などいりませんから早いとこ連れて帰って蛇のマイケル

☆049:礼 (伊藤真也さん) 流れ込む初夏の微風を受けながら敷金礼金払ったところ

☆050:確率 (はこべさん) 花びらがこの手にとまる確率をきみに預けて深呼吸せり
by yuaruhi | 2008-11-13 00:29 | いちばん星